この休業給付は歯科衛生士の過去3カ月間の平均賃金の8割程度を受け取る事が出来ますが、その内訳は月給付基礎日額の60%が支給され、それとは別に給付基礎日額の20%を特別支給金として支給されます。
結局8割給付されるのだから、細かい内訳を気にしない人も多いようですが実はこの特別支給金は他の制度(例えば歯科衛生士業務中の事故により障害年金をもらった時など給付基礎額は重複した補償という意味合いで減額される事もありますが、特別支給金は減額対象になりません。
障害年金を受給する場合もこの特別支給金がある事を覚えておきましょう。
※休業(補償)給付は雇用主である歯科医院の院長や医療法人の理事長などが労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を行わなければなりません。報告しない場合は労災隠しと見なされ罰金(50万円以下)刑が課せられます。
歯科医院の院長や医療法人の理事長が「労災の申請に積極的でない場合」には事業者としてのペナルティがある事をそれとなく話題にしておくとよいでしょう。
例外として歯科医院へ通勤している時の怪我や病気についてはこの「労働者死傷病報告」は必要ありません。
そしてこの休業(補償)給付は歯科衛生士が歯科医院を退職した後も怪我や病気が治るまで支給されます。
完治に至らなくても症状固定(安定して同じ状態を維持する事)の場合やこれ以上治療の効果が期待出来ない時には「治療は完了してる」という区分になります。
交通事故の保険などと似ている考え方なので、同様に考えればわかりやすいのではないでしょうか。
休業(補償)給付は4日目から
それまでの3日は歯科医院側が支払う義務がある。
最初の3日間は「待機期間」と呼ばれ、休業(補償)給付の対象になりません。
その代わり、雇い主である歯科医院や医療法人が休業補償(平均賃金の6割程度以上)を支払う義務があるのです。
この義務についても休業が必要になり、労災の流れが出た時に歯科医院の院長や医療法人の理事長に確認しましょう。
ちなみに、怪我や病気をしたのが業務時間内であれば当日を1日と考えて3日間、業務時間外であれば翌日を1日と考えて3日間となります。
歯科衛生士業務での怪我や病気が症状固定で完治しなかった場合
療養(補償)給付を1年6カ月受給しても完治しなかった場合→傷病(補償)年金
障害が残れば→障害(補償)給付
介護が必要になれば→介護(補償)給付