健康保険

歯科衛生士であれば、医療サービスを受ける(病院や歯科医院に行く)時に健康保険が使用出来る事は説明の必要はないと思います。

歯科衛生士の求人情報を見ると「社会保険完備」としか書いていないところが多いですが、一般的には社会保険と厚生年金、介護保険、労災保険、雇用保険の事を指します。

全てそろってない状態で「社会保険完備」と表記している歯科医院も多いので、歯科衛生士が就職の面接の時には必ずこの「社会保険完備」の内容を詳しく確認しましょう。

健康保険とは 医療費が3割負担になる歯科衛生士には絶対必要な制度

簡単に言うと、加入者全体で少しずつお金を出し合い、病気や怪我をした時にその負担を大きく減らすための「共同積立」のようなものです。

ですから、会社組織に加入すれば社会保険が、自営業などの人は国民健康保険のどちらかに加入する事が義務付けられています。

就職する歯科医院によって健康保険の種類が違うので面接時にはそれぞれの違いをしっかりと理解しておきましょう。

「日雇特例被保険者」という保険者がありますが、歯科衛生士が加入する事はまずありえないので割愛します。

健康保険の種類

社会保険

全国健康保険協会が運営している、いわゆる「協会けんぽ」があります。

最大の特徴は、保険料を雇い主である歯科医院が半分負担してくれる事です。

これにより歯科衛生士の健康保険に対しての負担が大きく下がる事になります。

給料から天引きされるので、支払いや申請などの面倒な事もすべて歯科医院が代わりに行ってくれます。

金額は最高で月額 70,724円です。しかしこれは月収が100万円を越えるような人ですので実際はもっと小額です。

同じ額を歯科医院は支払っています。

国民健康保険

市町村が運営している、健康保険です。

これは、協会けんぽと決定的に違うのは協会けんぽが当月の給料から保険料を算出している事に比べて国民健康保険は前年度の収入から算出する点です。これには、良い場合と悪い場合がありますのでどちらが良いかはその時その時によって変わってきます。

歯科医師国保は少しお得な健康保険

歯科医師国保は同じ業種の組織が組合を作って国民健康保険と同様の役割を担ってくれる健康保険のうち、歯科医師(歯科医院)が作っている健康保険です。

国民健康保険よりも、検診費用が給付されたり医療費の負担が通常3割のところを2割になるなどの有利な点が多いことが特徴です。

歯科医師国保組合によって条件が違うので注意が必要

全国に歯科医師国保の組合は20以上存在してその組合ごとに保険の金額など内容が全て異なります。そこで、自分が勤める歯科医院がどの地域の歯科医師国保組合かを確認して、国民健康保管や社会保険と詳しい比較を行いましょう。

ちなみに、現在では従業員(歯科衛生士)が支払う保険料は社会保険でも国民健康保険でもほとんど変わりません。昔は社会保険の医療費負担が低かったので社会保険の方が優位でしたが、近年の社会保障費の高騰により制度が改正されて国民健康保険と同じ負担比率になってしまいました。

あまり知られていない歯科医師国保だけのお得な制度とデメリット

しかし唯一、歯科医師国保だけは地域によっては2割負担のところがあったり検診費用などを負担してくれたりと歯科衛生士にとってプラスが多いようです。

ただ1つのデメリットが歯科衛生士自身が勤める歯科医院でその保険証を使用することが出来ません。その場合は、材料費なみで治療してもらうなどの歯科医院独自の優遇措置が行われている場合が多いようです。

社会保険と国民健康保険、歯科医師国保のどちらがいいか

例えば、歯科医院に就職してから退職してフリーになったり、国民健康保険に切り替わった時は前年度の収入によって保険料が変わるのでその年の収入が減少しても保険料は高いままという現象が起きます。

注意が必要なのは歯科医院からの転職時

逆に、社会保険の無い歯科医院に就職して社会保険の歯科医院へ転職した場合で、前職よりも収入があがっても社会保険なので保険料は当月の給料額によって変わるので社会保険と国民健康保険の特性を活かしきれていないという考えも出来るのです。

基本的には社会保険と国民健康保険のどちらからスタートしても差はありませんが、切替時に注意が必要です。

従業員を5人以上雇用している歯科医院は法人でなくても厚生年金に加入しなければなりません。ということは社会保険にも加入することになります(この2つはセットです)。しかし実際は歯科医院で保険料の50%を負担する事を回避するために未加入のままにしている歯科医院も多い傾向にあるので、歯科衛生士の待遇についての本音をこんなところからも垣間見ることが出来ます。

歯科医師国保がおすすめ

歯科医院以外の就職先を将来的に視野にいれるなら(介護施設やまったく別の業界)社会保険が良いでしょう。歯科医院で長く働くつもりなら(転職しても歯科医院)、地域の歯科医師国保組合の情報を調べて条件が良さそうなら歯科医師国保も良いと思います。

従業員が5人以上の歯科医院で国民健康保険(さらに年金も厚生年金ではなく国民年金)に加入しなければならない場合は、歯科衛生士の待遇にあまり熱心でないかもしれません。

東京都の歯科衛生士 求人情報を活用するうえでの地域的な特徴

東京都を代表するビジネス街、繁華街が大きく栄えているエリア

東京都を代表するエリアは日本を代表する事と同じ意味を持ちます。人口が密集しているだけでなく通勤や娯楽、ショッピング、地方や外国からの観光だけでなく、質の高い歯科医療を求めてくる人や、富裕層が多く存在しているエリアでもあります。

このエリアの歯科医院では単に歯科治療だけでなく、接遇や安全性など一般の歯科医院のレベルよりもハイレベルなものを求められます。その一方で歯科衛生士の人不足は慢性的に不足しています。歯科衛生士資格に加えて、マナー講座や接遇セミナーなどに出席して身だしなの整え方を学ぶなどしていれば同年齢の別業種よりも遥かに高額の給与を手に入れることが出来るでしょう。

2024年11月21日の求人情報分析

港区
青山、表参道、品川、六本木、乃木坂、赤坂、白金、麻布、汐留など全国屈指の華やか街で歯科医療に関われる機会が多い事でしょう。
新宿区
市ヶ谷、早稲田、神楽坂などを擁する、新宿区ですが、日本で一番乗降数の多い新宿駅(新宿都庁や歌舞伎町、新宿ゴールデン街など)の印象が強く、歯科医院選定の時の基準になりそうです。
品川区
品川、天王州、大崎、大井などを擁する品川区、東海道新幹線の発着駅である品川駅がありますので東京の西の入り口として機能しています。神奈川県からも通勤しやすいので交通の利便性が歯科医院選定のポイントになりそうです。
渋谷区
神宮前、表参道、代官山、恵比寿、神泉、代々木上原などを擁する渋谷区は甲州街道や山手線など交通の要になっています。
豊島区
駒込、巣鴨、大塚などを擁する豊島区ですが、やはり池袋駅周辺の印象が強く豊島区という名前よりも池袋という地名のほうが有名です。
目黒区
中目黒、祐天寺、学芸大学、都立大学、自由が丘など芸能人や有名大学の印象が強い目黒区ですが都心部への交通が便利な高級ベッドタウンとしての地域色が濃いようです。
千代田区
皇居がある千代田区は東京駅を始め、丸の内、大手町、霞が関、永田町、内幸町、飯田橋、麹町、神田など官僚とオフィス街の印象が強いですが、秋葉原駅などもあります。

所得の比較的多い層が暮らす東京都のベッドタウン

中央区
日本橋、八重洲、築地、月島、晴海、銀座など日本屈指の商業エリアがある中央区ですが、オフィスの密集地でもあります。歯科医院の患者は遠方からの観光客よりもオフィス街のビジネスマン、OLが主たる診療の対象となることでしょう。
文京区
大塚、春日、本郷、小石川、小日向、本駒込、目白台、千駄木、根津、白山、本駒込、湯島、などの閑静な住宅地や六義園、後楽園、小石川植物園などの庭園、そして東京ドームやラクーアなどのスポーツ施設や商業施設などがあるので働く場だけでなく、生活の場としても魅力的なエリアです。
世田谷区
北沢、玉川、砧(きぬた)、烏山(からすやま)などからなる世田谷区は高級住宅地として非常に有名で古くから戸建ての憧れの地として全国的に有名なエリアです。20代30代の若い家族も多く、予防に力を入れたい歯科医院が多く存在します。
杉並区
高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪などを中心に栄えているエリアで交通の要所を多く内包しているので住宅地としても非常に住みやすいエリアです。したがって、人口も多く一日の来院患者数の多い歯科医院が多いことが特徴です。

東京都の産業を支える下町兼、住宅地

台東区
上野、浅草、駒形、蔵前などを要し、秋葉原も台東区にあります。雷門や浅草寺と東京スカイツリーも台東区です。この街に古くから住んでいる人達が予防歯科の対象となるでしょう。
大田区
羽田空港(東京国際空港)がある大田区には蒲田、大森、田園調布などがあります。モノレールなどもありますが基本的に日本の工場、工作技術が集まった場所という印象が強いエリアです。古くからこのエリアに住む層がいるので長く診療に当たることが出来る歯科衛生士が求められています。
中野区
中野サンプラザで有名な中野区では古くから住宅地であった背景から高齢層と若年層の人口が多いという特徴があります。したがって、家族単位で歯科医院に通う層が多いエリアと言えます。
北区
板橋、十条、赤羽という東京都の文字通り北側に位置する北区では少子高齢化の波をもろに受けて人口が減っているエリアですので義歯や訪問歯科に力を入れる歯科医院が相対的に多い傾向にあります。
墨田区
東京スカイツリーをすぐ近くに見ることが出来る墨田区は、錦糸町、押上を始め多くの路線が入り組んでいる事も特徴です。したがって様々な診療スタイルの歯科医院が混在していいます。

東京都心部で働くための人口密集地

荒川区
町屋、荒川、西尾久、西日暮里、東尾久、東日暮里、南千住などの下町が多いエリアです。昼間人口と夜間人口の差が小さく昼間に仕事で他の区に行く人が少ないエリアです。したがってシルバー層(入れ歯、義歯、訪問歯科)などへのケアを志す歯科衛生士におすすめです。
板橋区
板橋区は隣接区へ仕事に行く人と隣接区から仕事に来る人の差分を見るとあまり変化がなく、住宅地としての側面と仕事をする場としての両方の側面を持つエリアです。歯科医院のタイプも保険から自費、矯正、外科処置までをトータルで行う幅広い診療スタイルが多いエリアです。
練馬区
石神井、大泉学園、保谷、新江古田など有名な地名が多いだけでなく、環七、環八、関越、外環など車で移動する場合の幹線道路も多いエリアです。池袋駅が近いので練馬区だけで歯科衛生士の求人を考える事は少ないと思いますが、住宅地には広い年齢層が住んでいるので、様々な経験を積みたい歯科衛生士は検討すべき区ではないでしょうか。
葛飾区
水本、金町、柴又、亀有、青戸、青砥、お花茶屋、堀切、立石、四ツ木、奥戸など江戸時代からの下町に、柴又帝釈天という観光名所を内包する葛飾区は文字とおりの下町の住宅地という特徴が今も続いています。このエリアは千葉県から東京都へ給与などの条件が高いことを理由に越境してくる歯科衛生士が多いことが特徴です。
江戸川区
昼と夜で人口が3倍近く違うエリアは東京都内屈指の住宅地のエリアです。葛西臨海公園が有名ですが、小岩、葛西などの地名も知っている人は多いのではないでしょうか。このエリアは賃貸の賃料が安い事が特徴で外国人の比率が高くこのエリアで歯科医院を探す歯科衛生士は少ないのですがその分、給与などの条件は高い歯科医院を選ぶことが出来ます。
江東区
亀戸、大島、新木場、門前仲町、豊洲、東雲、越中島など古い地名もたくさん残っています。東京ビッグサイトや国際展示場などが有名ですが、やはり歯科医院は新興のタワーマンションに住みだした若い家族をターゲットにしている歯科医院が設備や内装の充実が期待出来るため、仕事への満足感が高いエリアと言えるでしょう。
足立区
隅田川と荒川に囲まれた足立区は以前は治安などの不安があったようですが、実際は23区内でも安全性が高いエリアといえます。大学の誘致なども行っているので街全体がキレイになっていく事でしょう。若い家族向けに幅広い診療を行っている歯科医院が多く経験を積みたい歯科衛生士におすすめです。