歯科衛生士が歯科医院に就職・業務委託を請ける場合、様々なリスクを一人の社会人として考えていく必要があります。
例えば…
- 突然の失業
- 業務中の怪我や病気
- 将来の蓄えを考えていなかったので年金をもらえない
- 健康保険の手続きなどがまったくわからない
などの突然のリスクにも自分の力で解決する必要があります。
雇い主の歯科医院が仮に良心的であっても歯科衛生士の生活や将来をフォローするには限界があります。
そこで社会人として国が実施している社会保障サービスを活用して、安定して安全・幸せな日々を過ごせるように前もって準備をすることが大切です。
ある日突然、何もかも失って生活ができなくなったなどという悪夢のような出来事はほんの少し知識があれば解決して回避する事が出来るのです。
歯科医院ごとの求人情報
社会補償
社会補償は国が強制的に行う以下の5つの保険制度の総称です。
社会補償:健康保険、年金、介護保険、労災保険、雇用保険
社会人の方は給料明細に健康保険や厚生年金などの内訳が書いてあったり、給料の中から一定の金額が引かれているところを見た事はありませんか?
この保険は安心して仕事が出来るように、例えば病気や怪我、突然の失業、介護や障害など、安定して仕事をして生活を営む上での突然のリスクを出来るだけ和らげるための制度です。
社会保障は歯科医院のレベルを測る試験紙
歯科医院の求人要項を見ると、社会保障の欄には必ず何かしらの情報が記載されています。これは、歯科衛生士が生活の柱として職場を選ぶ時にこの社会保障が非常に大切で歯科医院ごとに加入サービスが違うので、より働きやすい職場であることをこの社会保障の欄でアピールしているからです。
歯科医院の雰囲気や駅からの近さなどが歯科医院選定の大きなポイントでありますが、この社会保障にどれだけ力を入れているかが「本当の意味で歯科衛生士の生活と将来を真剣に考えているか」を推し量る事が出来る重要な条件なのです。
社会保障は歯科衛生士にとっての5つのセーフティネット
社会補償は、転職率の高い歯科衛生士にとって非常に強い味方です。
結婚、出産だけでなく歯科医院の経営状態によっては突然の失業やパワハラやセクハラなど少人数の閉鎖的な組織ならではの問題から歯科衛生士はいつも転職や失業という問題が一般企業よりも身近にある職種です。
毎月の給料から自動的に引き落とされる保険料がある程度のセーフティネットを作ってくれます。
しかし、そのセーフティネットもしっかりと理解をしないと結果として損をしてしまう事になります。
それぞれの保険に応じた特性を理解して、賢く利用しましょう。
社会補償の種類
「健康保険」は、上記のように会社員の方々の場合は健康保険、公務員の方々の場合は共済組合、自営業や無職の方々は国民健康保険に加入するというのが一般的です。
「年金」は40年間収めると65歳(繰り上げの場合は60歳から)になると二ヶ月に一度「生涯継続して支給されるお金」です。
「介護保険」は65歳以上の人や、65歳以上でなくても、特定の病気などで介護が必要とされている人が受けられるサービスです。
「労災保険」は勤務中に事故にあったり、会社の作業が影響して、負傷や病気などを負った場合に、被災した本人、または遺族の方が給付してもらうサービスとなります。
そして、「雇用保険」は労働者が失業した時に、次の就職までの安定した生活を保証するもので失業手当として支給されます。